問題
地球上の2地点それぞれの緯度と経度が与えられます。その地点間の距離を計算してください。
* ただし地球は球体と仮定し、半径は6378kmとします。
用語
- 緯度
- 基準は赤道。北極点を北緯90度、南極点を南緯90度とする
- 経度
- イギリスのグリニッジ天文台跡を通る子午線が基準。東西へ180度まで表す
- 大円
- 球の中心を通るように球を切った時の切り口
- 大円距離
- 球面上の距離計測対象の2地点を結ぶ大円の弧の長さ
解法
円弧の長さは、半径と中心角を用いて、
で求められる。
また、2地点の緯度経度をそれぞれとするときの中心角は、球面三角法の余弦定理より
で求められる。よって、2地点間の距離は、
となる。
補足
球面三角法の余弦定理の導出
図1の球面三角形は角と辺からできている(この球の半径は1とする)。
図2は、頂点で球面に接する平面を考え、 この平面と
- 直線との交点を
- 直線との交点を
とする。
このとき、平面三角形のの大きさは球面三角形のの大きさと等しい。
平面三角形とは辺を共有しているので、平面三角形の余弦定理から、
が成り立つ。
とは直角三角形なのでが成り立つ。これらを先ほどの式に導入し整理すれば導くことが出来る(途中を利用する)。
球面三角法の余弦定理と緯度経度との対応
地球を模した半径の球面上に、北極と地点(緯度 、経度)と地点(緯度 、経度)を頂点とする球面三角形を考える(図3)。
辺の角度をとして余弦定理を適用すると、辺の角度は、辺の角度は、はとなるので、これらを先ほど導出した式に代入することで中心角を導出できる。
参考資料
- オペレーションズ・リサーチ「緯度経度を用いた3つの距離計算方法」