AR過程の定常性
AR過程と同一の係数をもつ差分方程式が安定的になる場合に、AR過程は定常となる。
AR(p)過程の定常条件は、
のすべての解の絶対値が1より大きい時、AR過程は定常となる。
上記の方程式を AR特性方程式 と呼ぶ。
定常AR過程は MA(∞)過程で書き直すことができる。
となり、 ならばMA過程になる。
MA過程の反転可能性
任意のMA過程に関して、同一の期待値と自己相関構造をもつ異なるMA過程が複数存在する。
例えば、
と、
の期待値と自己共分散は同じ値になる。
同一の期待値と自己相関構造をもつMA過程が複数存在するとき、どのMA過程を用いるべきか。その基準の1つとなるのがMA過程の反転可能性である。
MA過程がAR(∞)過程に書き直せるとき、MA過程は反転可能といわれる
MA(q)過程の反転可能条件は、AR過程の定常条件と同様のものであり、
というMA特性方程式を用いて述べることができる。具体的にはMA特性方程式のすべての解の絶対値が1より大きい時、MA過程は反転可能となる。
ARMA過程について
AR過程、MA過程それぞれを理解していれば難しくない。
- 定常性を考える場合、MA過程の部分を無視できる
- 反転可能性はAR過程の部分を無視して考えればよい
となる。