読もうとしたきっかけ
最近競プロや機械学習に手を出し、結果分野は違えど全ての理論は数学によって成り立っていると痛感しています。 これまでまともに勉強などしたことありませんでしたが、憧れのIT職に就けたこともあり つよつよを目指して統計、線形代数、最適化、集合の初級本などを日々取り組んでいます。 しかし如何せん低スペ脳すぎて中々理解が進まず、悶々としながら参考書を眺め、大切な20代の時間を溶かし続けています。。。 あぁ、学問を究めるにおいて人生はなんて儚いのだろう。。。 周りの人は楽しそうに人生を謳歌しているのに、なぜ自分はムツカシイ記号だらけの本をムウムウ唸りながら取り組んでいるのでしょうか。。。 「アアッ!イケナイイケナイ。プログラミングや競プロ、美しい証明に出会った時のワクワク感を取り戻さないと!」 そんなことを考えながら本屋さんをウロウロしていた時に出会ったのがこの本です。
感想
面白い!!! 身近な数字の話から始まり、過去の偉大な数学者たちの経歴や数学の芸術性、現代の生活に欠かすことのできない数学の基礎(統計など)等々…多岐に渡る数学分野の話が満載です。 というかまず、著者の経歴が凄いんですよね 「東大→JAXA→音大→指揮者→数学塾」って唯一無二すぎやしませんか? 僕はこの本の中で特に「数学の美しさ」の部分に心惹かれたのですが、音楽を専攻した著者だからこその内容なんだな~と思いました。 個人的に「解が一意に求まる」部分が数学の一番好きな要素です。 思えば、僕は学生時代に化学を専攻し、高機能なポリマーの合成を目指して日々実験を重ねましたが、これは近似解を探す作業に似ています。 「もっと優れた構造があり気がするけど、今はこれがベストかな~」 理論計算などすれば求まりそうですが、もはや数学の分野ですね。 一意に解を求められることに対し、すごく憧れを持っていました。 それが転職の原動力にもなった気がしますが趣旨から逸れてしまうのでここまでにしときます。 数学と音楽の親和性については作中にも記載がありますが、ピタゴラスが鍛冶屋のハンマー音から音律のヒントを得たエピソードや 偉大な作曲家であるチャイコフスキーが残した以下の言葉などがあります。 「もしも数学が美しくなかったら、おそらく数学そのものが生まれてこなかったであろう。 人類の最大の天才たちをこの難解な学問に引き付けるのに、美の他にどんな力があり得ようか」 音声解析には欠かせないフーリエ変換もバリバリ数学ですし、探せばいくらでもありそうです。 早く数式を「美しい」と思える感性を磨いていきたいです。 懸垂曲線、クロソイド、平面充填とペンローズ・タイル、、、新しい知識もたくさん増えました。 数式をほぼ使わずに数学の美味しい部分を凝縮したとても面白い本でした!